「燃焼と爆発」 火を噴く怪獣?

同じ物質、あるいはおなじ種類の物質でも、状態(粒の大きさ・液体と気体)違いや、酸素の量の違いによってゆっくりと穏やかに燃焼したり、瞬間的に爆発したりすることを示す。

 

1、砂糖の燃焼

<角砂糖>動画 へのリンク

  @ 角砂糖をピンセットでつまんでガスバーナーの炎に入れ、変化の様子を観察する。角砂糖は溶けて褐色の液体がたれ始め煙も出てくるが、火はつかない。
角砂糖の燃焼

  





<スティックシュガー>

  A 乳鉢でよくすりつぶしたスティックシュガーを指でつまみとり、ガスバーナーの炎の上から少しずつ落とす。炎の中に入ったとたん、オレンジ色の光を出してスティックシュガーの一部が燃える。スティックシュガーの燃焼













<パウダーシュガー>
動画へのリンク

B シュガーパウダーを口のとがった小さなポリ容器に入れ、ガスバーナーの炎に向けて水平にふきつける。シュガーパウダーは、火炎放射器のように爆発的に燃焼する。パウダーシュガーの燃焼













この一連の実験のねらいは、燃えるものは、粒が細かくなればなるほど燃えやすくなることを段階的に理解させるというものです。C番目として

どこの家庭の台所にもあり、広い意味では同じ仲間(炭水化物)の小麦粉(薄力粉)も、同じようにポリ容器に入れて炎にふきつけると同様に燃焼することを示すことも効果的である。

また、チューブの長い、少し大きめのポリ容器にシュガーパウダーをつめ、ゴジラやガメラの口から噴射させるとまるで怪獣が火を吹いているかのように見え、小学生くらいの見学者であれば楽しめる。

 

2、アルコールの燃焼


       実験で使うアルコールランプを点火し、芯を伝わって上がってくるアルコールは徐々に穏やかに燃えることを示す。これは、次の<アルコールロケット>、<アルコール鉄砲>の爆発の実験の比較にするものである。

<アルコールロケット>

   @  空のアルミ缶を2つ用意し、一方は飲み口のフタだけをとり、もう一方は上面全体を缶きりできりとる。どちらの空き缶も底に近い側面に、きりで小さな穴をあけておく。アルコールを霧吹きから2吹きほど空き缶に吹き入れ、すばやく紙コップで作ったロケットでふたをし、手のひらで空き缶を包み込むようにしてあたため、中のアルコールが完全に蒸発して空気と混ざり合うようにする。中学生くらいであれば、このような気体の状態では、アルコールはシュガーパウダー以上に小さな粒になっていることを説明しても理解できる。このとき側面の小さな穴は親指で押さえておく。

A小さな穴にライターの火を近づけて点火すると、中のアルコールが爆発し、紙コップロケットは勢いよくとぶが、飲み口だけを切り取った空き缶の方がより遠くへとぶことを示す。

この実験は出口の広い空き缶(空間)よりもせまい空き缶(空間)の方が爆発する力が大きくなることを理解させるものである

 

<アルコール鉄砲>動画 へのリンクアルコール鉄砲
  @   直径5cm程の透明なアクリルパイプの一方を、真中をくりぬいてライターをうめこんだゴム栓をはめ、この中にアルコールを霧吹きで5吹きほど吹き込み、すばやくもう一方をコルクで軽く栓をする。コルク栓は遠くへ飛ばないようにひもで結びライターの筒あたりと結んでおく。パイプを手のひらで少しあたためて中のアルコールを十分に蒸発させてから、ライターを点火する。ポンッという高い音とともにコルクの栓がとんでいく。すぐにコルク栓でふたをして2発目を撃つ。しかし、パイプの中には酸素がないためライターのスイッチを入れても、火花はとぶが爆発しないことを示す。

 A 2発目が爆発しなかった@のパイプの中に、酸素ボンベにノズルを付け、酸素をパイプの奥に注入する。@と同様にライターを点火するとすさまじい爆発音とともにコルクが吹き飛ぶ。動画 へのリンク

この実験は、ものが燃焼したり爆発するときには酸素が必要であり、酸素が過剰に供給されると大きな爆発をひきおこすことを示す。

※ 演示上の注意
アクリルパイプは何度も使っているとヒビが入るのでヒビを確認したら安全のため、新しいものと交換する。また、加えるアルコールや酸素の量も多すぎないように注意すること。



3、水素の燃焼

<水素のシャボン球>動画 へのリンク水素の燃焼
市販のシャボン液をプラスティックの板にたっぷり塗り、水素ボンベのノズルにもシャボン液をつけて、ノズルを板にあてながら水素の半球状のシャボン玉をつくり、割れないうちにすばやくライターで点火する。水素はだいだい色の炎をあげて穏やかに燃焼する。


<水素の爆鳴気>


@    カサ袋の中で爆発動画 へのリンク

ポリの洗ビンの口元の部分を胴体から切り取り、ノズルも短く切り落として水素と酸素混合気体の燃焼おく。これにビニールのカサ袋の上部(ふさがっている方)を縦と横の長さが同じになるように(正方形)になるように切り取り、これを洗ビンの口元の部分に間にはさみこむように取り付ける。

これに酸素:水素が大体1:2になるようにこの順番で気体を注入する。注入後は気体がもれないようにすばやく指でおさえ、ライターの火をできるだけ近くまで近づけてから指をはなして点火する。

酸素を注入したアルコール鉄砲と同様、大きな音とともに爆発する。


A    チューブの中で爆発動画 へのリンク

出口が細くとがった小型のポリ容器の口元の部分を容器胴体から切り取り、@と同様に容積が500ml位になるようにカサ袋をとりつける。このカサ袋の中に爆鳴気をいっぱいに満たし、これを内径4mm、外径6mm、長さ15m程の塩化ビニールのチューブの中にゆっくりと注入していく。

カサ袋の中の爆鳴気が残り少量になったら、径の異なる同じ塩ビのチューブでつくったジョイントをあらかじめライターにとりつけておき、この中に気体を残りの半分ほど注入する。注入後はすばやく15mのチューブをジョイントに取り付ける。あとの残りの半分の気体は、チューブの反対側からゆっくりと注入し、中の気体を少し逆流させる。

爆鳴気を注入する前もそうであるが、チューブがつぶれていたり、折れていないことを確認した上で、ライターを点火する。爆鳴気の気体の成分の割合や注入の状態がよければ、ぱちっという音とともにチューブ全体が青白く光る。爆発後は、チューブの中が白くくもり、細かい水滴ができるので、水素が燃えると水ができることを理解させることができる。


※ 演示上の注意
 チューブは通常見学者にもたせて実験を行っていたので、見学者にチューブを配ってから爆鳴気を注入する。見学者にはいつも「チューブを指でつぶさないように、折らないように」と注意を促す。チューブを配る作業や、爆鳴気をチューブに反対側から注入する作業を考えると、この実験項目はもう一人助手がいることが望ましい。 

参考文献
・武田一美 爆発の実験 ’94青少年のための科学の祭典
・左巻健男 たのしくわかる科学実験事典