はじめからおわりまで風船が主役となり、実験が展開されていきます。つねに「割れてしまうのではないか」という不安をもちながら、変幻自在に形や大きさを変えたり、まるで風船が生き物のように動いていく姿に笑いを誘ったり、実験の予想を完全にはずし、唖然とする項目など、園児から大人まで楽しめるテーマです。
1.割れない風船 動画 へのリンク
あらかじめ直径およそ15cm程度にふくらましておいた風船をとりだし、先をとがらせた竹串で目の前でつついて割って見せる。
割る前に、見学者に「どんなことをすると割れてしまうか?」とか「風船の弱点は何か?」などたずね、「とがったもの」という答えを待ってからつついてもよい。
次に、同じくらいの大きさの風船を取り出し、今度は串をさしても割れず、さらに串の先をつきぬけさせ、串刺し状態にしても大丈夫であることを示す。 この「割れない風船」のしかけにはつぎの2つの方法がある。
@ 串を突き刺すところは風船の一番底のところの、ゴムの肉厚が一番厚いところ。抜くところは空気の入り口に近いところで、肉厚が厚そうなところを探して先端を突き出す。
A 突き刺すところと抜き出すところにあらかじめセロテープを張っておく。
2.風船火あぶり 動画へのリンク
(1) あらかじめ用意しておいた別の風船をアルコールランプの炎の中に入れる。 風船はとたんに割れてはじける。
(2) 水をたっぷり入れた別の風船(水風船)を(1)と同様にアルコールランプの炎の中に入れる。炎にあぶられている部分は、内部の水で冷やされているので、それほど長い時間でなければ風船は割れない。
3.風船のみ込み・吐き出し
(1) のみ込み 動画へのリンク

2リットルで口径5cmの三角フラスコを用意し、中に水を約50ml入れ実験用ガスコンロ(または電気コンロ)で加熱し充分に沸騰させる。三角フラスコを空の水槽に移し、すばやく2−(2)で用いた水風船で結び目を手でもってぶらさげた状態で風船の底の部分で口元をふさぐ。三角フラスコの側面に水をかけ冷やすと、風船は中に吸い込まれる。
(2) 吐き出し 動画へのリンク
(1)で風船をのみ込んだ三角フラスコを逆さまにして振り、中の風船の結び目がフラスコの口元にくるようにし、指で結び目をつかまえておく。結び目をはなさずにフラスコを元のむきに戻して机の上におき、フラスコの口元と風船のすき間から水を200ccほど加え、つづいて炭酸ガスの発生する入浴剤を一袋の半分ほどよく砕いたものを加え、すばやくすき間を風船でふさぐ。フラスコを円を描くようにゆっくり振ると、中から盛んに発生したガスによって風船はフラスコから生き物のように徐々に這い出し、最後には外に押し出される。
4.風船浮き沈み
(1) 風船を沈める。
長さ50cm位、直径7cm位の標本ビンを2本用意し、どちらにも水を8分目くらいまでいれておく。このうちの1本に、普通の水を入れた長径7cm、短径4cmほどの水風船を入れる。風船はゴムの浮力でかろうじて浮いている。この標本ビンの中にビニールチューブを底まで差し込み反対側から息をふきこんで泡を発生させる。ビンの底からさかんに上がってくる泡によって、それまで浮いていた水風船は底に沈んでいく。
(2) 風船を浮かばせる。
もう一つの標本ビンに、(1) と同じくらいの大きさの、塩水を入れた水風船を入れ、水風船を沈ませる。(塩水の濃度は、水風船がゆっくりと沈む程度)
この中に、割っていないわりばしの太い方を差し込み、ぐるぐるとなるべく速くかきまわしてうずをつくる。このうずがそこに沈んでいる水風船に伝わると、水風船はくるくると回り始め、やがてうずに引かれるように上へ上がってくる。
5.風船分割
ジェット風船をほぼいっぱいに膨らまし、その後少し空気を抜いて7分目くらいにして口を縛る。(こうすると、風船のゴムが軟らかくなる。)
風船のまん中あたりにヘヤードライヤーを「hot」および「強風」にして風を当てる。見学者は風船が割れるのではないかと身構えるが、風船はくびれてひょうたんのように二つにわかれる。実験後、ゴムは熱によってのびるのではなくちぢむ性質があることを説明する。
6.連結風船 動画へのリンク

膨らませていない状態で、直径がおよそ30cmの2つの風船を用意する。
この風船の一つをブロワーを使って直径がおよそcmの大きさにまでふくらませ、水枕に用いるクリップですばやく口元(なるべく根元の方)をはさんで空気が漏れないようにする。
この風船の口元を、クリップが外れないように長さ100cm、直径10cm位のアクリルパイプの一方にしっかりとかぶせる。
もう一つの風船を同様に直径がおよそcmの大きさ(さきほどの風船よりも空気の量は三分の一から四分の一)にふくらませ、口元をクリップではさんでアクリルパイプにしっかりとかぶせる。
まず小さいほうの風船の口元にはさんだクリップをはずすが、大きい方にもクリップがついているため空気移動はなく、したがって2つの風船の大きさは変わらない。
つぎに、大きい方の風船の口元にはさんだクリップをはずすが、はずす前に見学者にどうなるか聞いてみる。(1.同じ大きさになる。2.大きさが逆転する。3.大きい風船がもっと大きくなり、小さい風船がもっと小さくなる。と、項目ごとに手をあげさせてもよい。)
クリップをはずすと、結果は3番となり、見学者のほとんどは予想が外れるのでびっくりする。
結果を見せた後に、「風船は小さいときの方が膨らませるのに大きな力が必要で、それは小さいときの方が空気を押し出す力がつよいからである。よって小さい風船の中の空気が大きい風船の中へ移る。」ことを説明する。
指導上の注意点
3−(2)
三角フラスコの内壁と風船の間の摩擦が大きいと、風船がうまく抜け出せず、時には割れてしまうこともあるので、フラスコの口の内側に石鹸水をぬっておくとよい。
4−(2)
小学生の高学年以上であれば、見学者にやってもらっても場が盛り上がる。
6.
大きい方の風船を最大限にふくらませてしまうとそれ以上空気は入っていかないので、7〜8分程度におさえておく。
参考文献
・林 良重 「風船の串ざし」 ’94青少年のための科学の祭典
・益田孝彦、原慎二 「とても水には流せません」 ’97青少年のための科学の祭典
風船を気体発生を利用して吐き出すのは元センター職員横山一郎氏のオリジナル